旅の写真 20
2014年、二度目のフィリピン留学をしていた時の話。
真っ青に晴れ渡った週末に、私は一人、カメラを持って街歩きをすることにした。
砂利ででこぼこのフィリピンの道はすぐに砂埃が立つし、そこここが荒れていて、東南アジア感が溢れてる。
でも、そんな道端には、かわいいビビッドピンクの南国の花がちょこんと咲いていたり、野良犬が気持ちよさそうに眠っていたり。
すべてが生き生きとしていて、真っ青な空にぴったりなんだ。
その日は道を黒い立派なニワトリがたった一人で(一羽で?)歩いていたので、(でた〜フィリピンあるある〜〜!)と思いながら、ゆっくり後をついて写真を撮っていると…
「ヘイヘイヘーイ!」
人の声がした。
辺りはしんとして人の気配がなかったのでビクッとした。
見ると……ガードさん!?
「なに撮ってるの〜撮るならこっちでしょ〜!」
「あはは!はーい!」
パシャ!
「おお〜いい写真だ!」
「ハハハハハ!」
まわりにもこんなに人がいたなんて。
(ところでガードさん(セキュリティガードさん)、どこをガードしてるんだろう…?)
その場を立ち去り、大通りまでの道を歩きながらぼんやり思った。
(…出勤前だったのかな!)
学校を出てすぐ愉快な出会いがあるフィリピンのでこぼこ道なのだった。