最近の私(長文)。
私は2016年、就活をした。
それまでふわふわ生きてきた28歳職歴なし女が、いざ、現実的な社会へ出て行こうとしても、受け入れる側も戸惑っただろうし、何より自分が一番戸惑っていたように思う。
なぜいきなり就活をしたのかというと、職歴が欲しかったからだ。
28になってようやく、「職歴ないって結構ヤバイよな…」と焦りだしたのだ。
職歴がほしいというだけで、やりたくもない仕事で何年か使うのは嫌だったので、写真に関わりながら仕事ができる場を探した。闇雲だった。
本気で写真を仕事にする人たちの現場に飛び込んでみたら、むちゃくちゃ壮絶だった。写真を撮るのが苦痛になりそうでさえあった。写真は写真でも、私が撮りたいものと、その世界で撮っているものとでは全くもって別物だったこともある。
すぐに辞めた。
いくつも年下の優しい先輩に「辞めグセがつかないようにしてね」と言われた。
胸がズキッとした。
私はそれまで定職に就こうとしたことがなかった。
でも、やろうとすれば何だってできるぞ!と思っていた。
いざ働いてみたら、すぐ辞めた。
愕然とした。
ぼんやりと夢を思い描いていただけの、社会不適合者なだけじゃないか。
自分で自分を罵った。しばらく立ち直れなかった。
2016年はそのまま、闇雲に就活を続けた。
最後は「何でもいい、職歴をつけられればいい」と迷走しまくった。
今年のはじめ、去年までしていた就活の残りで、ある会社の面接があった。
その会社は年中募集をかけているし、新入社員の人たちが3年以内に辞める確率も高く、お給料は安かった。でも、土日休みで拘束時間は長くない。それは友達に「こういう条件で探すべし!」と教わっていた条件にきちんと合致していた。
でも、その時すでに「私、この会社に行きたいなんて全然思ってない。やってみたい仕事でも何でもない。面接通っても行かない」と心は決まっていた。
人生ってなんだろう、私の人生は何のためにあるんだろう…と考えあぐねた挙句、「これやっぱ就活とかいう方向じゃないよ…」という答えに行き着いていた頃だった。
ただ、何が功を奏するかわからないから…と、
重い体を引きずるようにして最後の面接に行った。
面接をしてくれたのは、明るくてフレンドリーな、私より少しだけ年上らしい女性だった。ブラックなイメージを持って行ってみた会社だったけれど、その女性から受ける印象はとても良かった。
私は何もかも、ありのまま話した。
ありのまますぎて、「この人、就職する気ないだろ」と随所で感じさせたと思う。
こんなに経歴空っぽな私を面接に呼ぶほどだから、きっと真面目に臨んだら受かってしまうと思っていた。だからと言って適当に受けたわけではなかったけど、「これで通ったら笑ってしまうわ、日本の社会真っ黒確定だわ、」と思っていた。
数日経って、気がつけば一次面接通過のお知らせはこなかった。
「あっ…そういえばこない。あの面接官の人、すごいなぁ…」
残念に思うべきなのかもしれないが、私はなんだかホッとしていた。
マトモだ、あの会社も。日本の社会も…。
私が思っていたよりずっとマトモなんだ。
良かった、捨てたもんじゃないな。
その面接を最後に、私は就活をやめた。
上に書いたような気持ちになったのなら、真剣に就活に目覚めてもよさそうなものだが…
やっぱり、私は変わっている。自分で言っちゃう。
やめた当初は「私、会社勤めとか向いてないかも!もし勤めるにしても、もう少しちゃんとやりたいことを明確にしてからでないとダメだな!」と思っていたけれど、最近は「そんな事を考えるのからしてなんか違う、私らしくない」と気付きはじめた。
私が怖れていたことは、全て「お金」がネックになっていたんだなぁ。
これはつい最近、気付いたことだ。
職歴がほしいのは、「将来暮らしていくお金はちゃんと稼げる!大丈夫!」と思いたいからだった。稼げる女性でないと結婚だってできないと思っていたし、子供ができれば、親としてそれなりの資金は注ぎ込める自分でいたいので、子育てしながらも稼ぎたいと思っていた。
全部、お金だ。
フォトエッセイの本を書いて出すことが、今一番近いところにある夢。
でも、旅をすればお金がなくなる。お金がなくなれば働かなければ。
やっぱり、お金だ。
たった「お金」というものにだけ囚われて、
人生のあれこれを諦めるなんて、如何なものか。おかしくないか。
私はお金のために生きているんじゃない。
「私はこうやって生きる!から、その分は入ってきてよね!」だ。
「お金」はそういうものであってほしい。
ハッキリ言って、こう考えている自分にも「だからみんな社会に出て働いているんじゃないか」という常識がついてまわる。でも、こんなに変わっている私でもどうにかする方法はどこかにあるのかもしれない…とも思っている。
もうこればっかりは自分の人生で実験してみるしかない。
就活が、パリッとしたスーツが、あまりにしっくりこないのだから、しょうがないじゃないか。「これっぽっち」に見える貯金を使いながら、思い切って、やりたいことに向かって行ってみる。
貯金が底をついたら、その時またどうするか考えればいいや。
今年はこれでやってみようと思う。
マジで超バリ怖い。
みんな、いざという時は手を差し伸べまくってくれ〜〜〜!
などと天に向かって叫びながらいこうと思う。