私がスタジオを辞めたわけ。1
こんにちは、今日も何事もなかったかのようにクリーニング屋で働いてきた28歳です。
昨日は半額セール!天気が良かったので朝から混みました!疲れたよ!!!
今日は土曜日!競合店が早々に潰れたので朝から混みました!疲れたよ!!!
もう仕事、クリーニング屋でいいじゃん って?
くっ、、
さて、今日はいよいよスタジオを辞めたわけについて書いていこうと思います。
もうなんか思い出して整理するのも億劫になってきてました。お得意の現実逃避です。
でも!ちゃんと書きます!あの5日間を人生勉強にするためにも!
よっし!(気合)
※長いです!!!(3500字)
①労働時間ちょっとヤバイ問題
フォトスタジオのスタッフの仕事は、撮影の時間によって労働時間が変わってきます。
また、土日でも撮影が入れば出勤します。
プライベートの予定がめちゃくちゃ立てづらい仕事なのです。
最初に面接を受けたスタジオでも、見学させてくれたスタジオでも、「そこのところは大丈夫ですか?」と何度も確認されました。
終電の時間に帰って、次の日も朝早くから出勤ということがままある。
年始は休めるけど、年末は飛び込みで撮影が入ることもある。
みんなが休んでいる連休もナシになることもある。
などなど。
でも私は全然リア充じゃないし、そこは気になりませんでした。
ただ、終電に間に合わないのはしんどいので、その部分はよく質問していました。
「終電の時間になることは月に1・2度あるかどうかだと思う」と、ほとんどのスタジオで言われました。私は「それくらいなら全然大丈夫!がんばる!!」と決意していました。
しかし、最終的に私がお世話になると決めたスタジオだけは、面接の時から「引越しは考えてますか?」と引越しの話が出ていたスタジオでした。
そこにかなりビビった私は、一度は別のスタジオに行こうと考えを改めたほど。
ま、今日はそこはいっか。結局、私は一番しんどそうなスタジオを選んだわけです。
初出勤の日。
私は川上さん(仮名)から勤務について説明を受けておりました。
「まず、基本の勤務時間は10-20時ね。
その時間内は撮影がなくても出勤してないといけない」
(えっ…募集要項と違う、もう思ってた時間より1時間増えたよ?)
と、まあまあ衝撃を受けましたが、
いいえ、こんなの想定内です。大丈夫です、私、知ってるし。
スタジオマンってもっともっと長い時間働くんだもんね、知ってる知ってる。
さらに初日、2日目と働いてみてすぐにわかりました。
20時に帰れる人なんていない。
でも私は、電車で遠くから来てるってみんな知ってくれていたので、「先に帰りな」と20時半とかに帰らせてもらっていました。(初日、2日目)
私がいたスタジオは、人を撮影できるスタジオが3つと、物撮りができる小さなスタジオが1つあって、それぞれにファッション雑誌やカタログの撮影が1日にいくつか入っていたりして、一つの撮影がかなり長いこともありました。
撮影が終わったあとは、スタジオの片付け・掃除と、次の日の撮影の準備まで済ませてから帰ります。
例えば、21時に撮影が終わってお客さんを送り出すとしたら、そこから1時間かけて片付け、さらに1時間かけて準備。帰れるのは23時過ぎ、という感じです。
次の日の準備もやって帰るのってフォトスタジオなら普通のことなのかな?
新人なつおは「次の日の撮影が朝早いならしょうがないけど、14時からとかだったら、スタッフはみんな10時には出勤する決まりなんだし、10時〜14時の間に準備すればよくないか…?」と思ってしまいました。
お客さんは撮影が終わってすぐ帰る人たちばかりとは限りません。
「よーし終わった!じゃ、サンドイッチ食べま〜す♪」なお客さんだっています。
スタジオマンも撮影の後は疲れてるし、「まず休憩しよか〜!」てなる。
なので、21時に撮影が終わって23時過ぎに帰れるのは、スムーズに事が運んだ場合は、の話です。
実際、撮影が押すのもよくあることだそう。
私は5日間で、24時までの予定だった撮影が27時過ぎまでかかったらしいことも目にしました。「うわ…『燃え尽きました』やって」と先輩たちが残したメモを読み上げる川上さんに「えぇ…27時過ぎって…3時過ぎですよね?」と返すと、「うん、でもそこから片付けして準備して…多分5時半とかに帰ったんだよ」。
ドン引きしました。笑
その撮影に立ち会っていた先輩が10時には出勤してきてるのを見て、ただの28歳として26歳のその男の子のお体の心配を心から致しました。大丈夫?死んじゃわない…( ;∀;)??ってね。
ということで。
とにかく労働時間がえげつないです、スタジオのお仕事。
23時24時まで仕事とか普通だし、終わって帰れたらラッキーくらいじゃないかな。
スタジオからチャリ圏内に住んでる人でも「どうせ寝て起きたらまた来ないといけないし面倒くさいから」ってスタジオに泊まることもあるらしいですよ。すっご!
スタジオはもちろんシャワー室完備。すっご!笑
②スタジオで撮る写真がやりたい写真と全然違う問題
これは大きかったです。
わかっていたつもりだったけど、全然わかっていませんでした。
こんなこと言うなんて、当然のことすぎて馬鹿げてます。バカです。
でも言います!
スタジオもライティングも人工物です。作り上げられたものなんです。
その中にモデルさんが立ち、ポーズをとります。
私が感じた「作られてる感」ってなんかうまく説明できないんですけど。
撮った写真もあとでめっちゃPhotoshop(レタッチ)されるのかなーとか思ったり。
うーん、なんか…なんか違う!
と、思ってしまったのです。
それが何かを表現する写真だったなら(そういう写真を芸術写真というのだろう)、私もものすごく好きだと思う。でも、私が立ち会った撮影で撮っていた写真は雑誌やカタログに使うもの。
なんていうか、淡々としていていいというか。何を表現するでもないよね、そりゃ。
モデルさんが着ている服をよく見せるための写真なんだし。
こんなこと、スタジオに入ってから気付くなんて遅いし、本当に馬鹿なのでしょう。
でもド素人なつお、入ってからじゃないと実感することができませんでした。
私が一番やりたいのはスナップ写真だったんだ…!
でも、それを教えてくれたのもスタジオの先輩でした。
しかも最終日にはじめて会った、チーフ。
チーフ、本当にありがとうございます…!
目の前の人のありのままの姿を。
ありのままの心を。
ありのままに写したい!
目の前の光景でもそう。
それが私のやりたい写真。
スタジオで撮る写真とはあまりに違いすぎました。
③商業カメラマンという仕事、ピンとこなかった問題
ゆえに私、「商業カメラマン、やりたい!!!」と思えませんでした。
「写真を仕事にする」とは、スタジオでの撮影だってなんだってこなせないといけないってことなんだ。たとえ芸術写真が自分の一番撮りたいものだったとしても、そればっかりで食っていくことができるのはほんの一握りの人たちだけなのだから。
「生きていくお金を稼ぐための仕事を、カメラマンにしよう!」そう決めたなら、スタジオでの修行は通るべき道だと言えます。
雑誌やカタログに使うモデルさんや物の写真を撮るための技法、ライティング法は、スタジオで働けば十分すぎるほど学ぶことができると思います。
私がいたスタジオは、日々違うカメラマンさんがやって来て撮影していきました。
先輩たちは、よく来るカメラマンさんがどんなライティングを組むかも、どんな機材を使うかも、ちゃんと頭に入っているようでした。川上さんが教えてくれたのだけど、「ライティングはカメラマンによって全然違う」のだそう。
カメラマンさんに指示を受けてライティングを組むのは私たちスタジオマン。撮影のさなかにも「あれをもっとこうして」と指示されれば超特急でセットを組み替えます。そのセットのちょっとした違いで、撮れた写真がどのように違ってくるのかも実際に目にすることができます。
スタジオに入ったばかりは何もわからなくても、何ヶ月か勤めればきっと、自分でもライティングを組んで、撮影ができるほどの力がつくでしょう。私がそう言えちゃうくらい、スタジオでの仕事は勉強になることばかりでした。
しかし、私は5日間で、自分の「お金を稼ぐための仕事」はカメラマンの仕事じゃなくてもいいな、と思ってしまいました。それならば、わざわざスタジオでの仕事を身に着けなくてもいいんじゃないか、そういうことです。
*
文字数がすごいことになってしまったので、今回はここまでにします。
読んでくれて、本当にありがとうございます。嬉しいです〜〜涙
予定では、あと④、⑤の理由を書きたいと思っています。
なんかここまで書いていて、「それ自分、超やってみたいんですけど!」って人もいそうな気がするな〜と思いました。でも、そう思ってくれたなら本望だ。
挫けず、次もがんばって書きます!
よっし!(気合)