なにか書きたい。

30代になっても自由に、思いのままに、なにか書いています。

失恋したときのこと 3(お受験からの〜編)

 

前回の付き合ってたとき編と、今回のお受験編は同時進行でした。

 

一緒に書くとごっちゃごちゃしてくるから分けたんだけど、こらまた長い…

今回は恋愛というよりは、大学辞めようかな…と思ったことがある人と共感し合いたい内容になってるかもです。

 

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高橋くん(仮名)は入学後、部活を始めて、夜遅くまで練習で忙しくなった。

数ヶ月は私と同じ地元から大学へ通っていたけど、しばらくすると一人暮らしを始めた。

勉強も部活もどっちも頑張る。そのために一人暮らしする。そんな選択ができる高橋くんは、人としてかっこ良かった。 

 

私はというと、大学の授業は楽しかったし、小中高でも実技の成績だけはよかったので、大学では成績優秀だった。事あるごとに提出した作品がどれも高い評価を受けて、こんなことは初めてだったのでびっくりしてしまった。

 

でもなぜか、"何か違う感"が背中にずっと付き纏っていた。

毎日楽しいけど、これって自分で掴んだものじゃないよね…?

私はこのまま4年間あっという間に過ごしてしまうのかな。

 

 

  

そう思い始めたころ、文化祭があった。

私の大学は服飾科がファッションショーをしたりする以外はあまり特色のないものだった。私はインテリア科1年が受け持つとお決まりだったカフェかなんかをやった。

私もまわりの友達もやる気ゼロ。みんなで「つまんないね〜」と言い合った。

 

私の大学は付属校から来ている子や、「東京に進出したかったから」とか「親と離れたかったから」という理由で来ている子も多かった。そんな子たちはお嬢様が多くて、「学費も全額払ってもらってるし、仕送りも家賃と別に10万はもらってる」と言ってる子もいた。

その子は大学もサボりがちで、よく「彼氏と〜まで行ってきた」とか言っていた。なんだか、ショックだった。

 

私は本当に、この大学に来たかったんだろうか。

志望校落ちたら行く場所がないし、もともとデザインに興味はあったし、私でも入れそうなレベルだし、ここいいじゃん!って思って試験を受けて、やっぱり志望校は落ちたから、ここに来ただけだ。

 

私は人生の"大学時代"を、ここで終えてしまっていいのか?

何もがんばることなく「楽しい〜」って言いながら。

環境が変わってしまえばその瞬間に崩れ去るほど脆い「楽しさ」なのに。

  

 

そんな時、高橋くんの大学祭にも連れて行ってもらった。

大学祭に合わせて、大学通りもお祭りをやっていて、街全体が活気づいていた。

大学の門を入るとなんていうかもう、「わあ〜〜〜〜〜っ!」っていう感じだった。

言葉に表すのが難しい。とにかく感動した。

 

学生さんたちは一人一人が本当に輝いていて、楽しそうだった。

そこにいる誰もが、それまでたくさん苦労して、たくさん勉強して、この場にたどり着いた人たち。みんなこの場所を自ら選んで、この場所を目指して、その笑顔からは計り知れない努力をして、ここに来てるんだ…

 

その姿は本当に眩しかった。衝撃的だった。

 

私も、思いっきり「ここにいられて嬉しい!」って言いたい。

「すっごく頑張ってここにたどり着いたんだ!」って言いたい。

志望校に落ちて自暴自棄になって、自分のことを心底見下したまま、この先の人生を歩みたくなかった。

 

 

 

その後、いろいろ考えて、たくさん悩んだけど、結局私は春休みに入る前に、大学を辞めた。

 

「大学、辞めようと思うんだ」

はじめてそう伝えたとき、高橋くんはめずらしく強めの口調で「本当にそれでいいの?」と言った。「受験をもう一度やらなくても、大学から頑張って自信をつけることはいくらでもできる。もうちょっと考えてみたら?」

 

やっぱり、この人は素敵だ。

ちゃんと私のことを考えた上で、しっかりとした意見を率直に伝えてくれる。

 

でもやっぱり気持ちは変わらなかったから、次に会ったときに「もう決めたんだ」と伝えた。

「…そうか、それなら一緒に頑張らなきゃな。何でも教えたる!」と言ってくれた。

 

 

 

それから1年はガチ宅浪生活だった。

最初の頃はマイペースにやっていたけど、このペースじゃ間に合わない!と自覚してからは朝も夜もなく毎日ガリ勉した。目指すは現役のころ落ちた志望校。今度は本気だった。

 

私は勉強の仕方を全く知らなかったので、高橋くん結構ドン引きだったと思う。笑

 

わからないと思っても、すぐに誰かに聞こうとしないで、自分で探す癖をつけること。

知りたいことは教科書や参考書を見れば大概ちゃんと書いてある。

これは高橋くんから教わった、めちゃ重要なことだった。

 

本に書いてあるようなことは、聞いても「それ、どこかに書いてあるはずだよ」と言って教えてくれなかった。でも目的のページの探し方とか、重要な事はしっかり教えてくれた。

 

これがなかったら私、独学できなかったな。

わからない所が出て来るたびに、挫けそうになりながら、高橋くんの言葉を思い出して本をパラパラパラパラやった。本当にちゃんと書いてある。自分で一つ一つ解決していける。すごい…!と思った。

 

 

それから、英単語の覚え方も教えてもらった。

私はそれまで、「みんなは一つの単語を何度か書けば覚えられているというのに、私はノート丸々1ページ書いても、それ以上書いても覚えられない。どっかおかしいのかな…」と、切実に悩んでいた。

 

毎日毎日、繰り返し、満遍なく、単語を目にして発音する。

そんな覚え方があるなんて全然知らなかった。

 

「最終的にはこの単語帳1冊、毎日やるようにするんだよ」

ええ!うっそ、マジか…!

 

「でも、1900語もある…???」

「うん、全部覚えちゃえばできるんだよ」

 

え〜!そ、そうなんですか…!

すげ〜、有名国立大に行く人はレベルが違うな〜〜!

 

「オレはこれと、難関大用の単語帳と、交互に毎日やってたよ」

おいおい超人かよ・・・!

 

あと、英単語は文章の中で覚えるといいっていうのも高橋くんの教えだけど、これは今でもつかめないまま…。いつかもう一度やり方を聞いてみたいとずっと思ってる。笑

 

 

高橋くんが一つ一つ勉強法や考え方を教えてくれたから、私は「自分も人並みに勉強できるヤツだったんだ…!」と気付けた。人並みに単語や年代を覚えて、人並みに速読もできるようになった。

このことは本当に、感謝してもしきれないくらい。

この経験がなかったら私、今ごろどうしていただろう。考えるの恐ろしすぎ……

 

 

 

いよいよ入試の日が近づいてくると、高橋くんと会う日も減っていった。

それでも私は勉強に集中しまくった。落ちでもしたらそれこそ彼女失格だ…!

 

「次会えるのはクリスマスだね」っていうある日のこと。

1日とっても楽しく過ごした帰り道、自転車の荷台に乗せてもらっていた。

なぜか2人とも無言で、すごく冷たい時間が流れた。

(あれ…なんだろう…これが俗に言う、冷めるってやつ?)

前触れなんて何もなかった。でも、そう思ったのは私だけだったのかもしれない。

 

 

迎えたクリスマスは激冷えだった。

無言の時間が冷たすぎて耐えられないほどだった。

 

(ああ…これはもう、私、振られちゃうな。なんだろう、なにがいけなかったんだろう。もしかして高橋くん、他に好きな人が出来たのかな。もっと素敵な子なんてそこら中にたくさんいるもんね、当たり前だよね…)

 

こんな思いが脳内で暴走して、悲しくなった。

あと一歩のとこまで「高橋くん、私と別れたいよね?」って言葉が出てきていた。

でも最後まで聞く勇気が出なくって、悲しいまま別れることになった。

地下鉄の改札のところで「じゃあね」と言うと、高橋くんも同じくらい悲しそうな顔でそっとキスしてくれた。

 

 

高橋くんはきっと、私の入試が終わるまでは別れないつもりだろう。

そういう人だ。ちゃんと相手のことを思いやれる優しい人なんだ。

 

うう…

でも、そんなのつらい。好きでもない私と一緒にいさせるなんて。つらい……

 

でも、、確かに今失恋したら、私、入試・・・ムリだ・・・ほんと・・・泣

高橋くん、ごめんね、ほんっとごめんね。。

 

悲しくて、息ができなくて、電車の窓ぎわで泣いた。

こんなに一緒にいるのがつらくても、私は高橋くんのことが大好きだった。 

高橋くんがいない日常なんて考えられなかった。

 

でも、きっと、きっともうダメなんだ…

私は改札で見た高橋くんの悲しそうな笑顔を思い出していた。

 

こんな状況になってしまっても、家に帰り着いた瞬間から勉強していた。

その時の私は、もう試験日に向けてラストスパートをかける他なかった。

 

 

 

ああ…文字数がすごいことに…

続き、また書きまする。。(次こそ失恋します!←)

 

 

 

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