観光客・私、異国のマッサージチェアに座る。
3年前、マレーシアのマラッカという街に立ち寄ったときの話。
その日は朝からカンカン照りで、1日中忙しく歩きまわっていた私は、日が傾きはじめたころ限界を迎えていた。も、もうダメだ…クーラーガンガン効いてるところに行きたい……
マラッカは世界遺産のある街で、のんびりした穏やかな、あちこちに古い建造物が残る街だけど、中心部にはでっかくてキレイで立派なモールもある。
そこに駆け込む私。
は〜涼し〜〜!
もう出ていけないコレ〜〜!
数日前のマニラでは、外をずっと散策しすぎて夜両足が攣りまくった。
おかしいと思ってネットで検索したら「脱水症状の初期段階」…!
汗をかきすぎるのもほどほどにしないとね!!
涼しいモール内をあてもなくブラブラしていると…
おっ?
おおー!
マッサージチェアーー!!
日本のショッピングモールでも(マッサージチェアを置くなんて面白いな、誰が考えたんだろう、よく考えたな)なんて思ってたけど、まさかこんなところでもお目にかかるとは。マレーシアの人たちも肩凝ってるんですかね!?
などとたった一人興奮しながらしばらく眺めまわし、
チラッ…
誰も見てないし…
歩き疲れたし…
座ってみちゃおっかな〜↑↑
なるべく他のお客さんから見えづらいイスを選んでそっと座る私。
お〜、投入するのはコインじゃなくてお札なんですね。
こんな小さなイスによくお札の回収機つけられたな〜
ちょっと恥ずかしいし、力強すぎて痛かったら嫌だし、
5リンギットくらいにしてみよう!
ウィーーン
…
…ウィーーン
…あれ?
入らない。
もう一回!
…
…ウィーーン
入らないな〜
お札、ピンとしてキレイなのに。
このイスは調子が悪いのかも!
いいよ〜、あるある!
異国あるあるだよね〜!
…あっちのイスにしてみよっかな
と、隣のイスを見ていると
「入らないの?」
はっとして振り返ると、30代くらいのイケイケのお兄さんが覗き込んでいました。
沖縄のお兄さんかな?という感じの彫り深めなお兄さん。
(見られていた〜〜!恥)
「あっ、あハイ、、」
「かしてみて」
見るとお兄さんの後ろには中学生くらいの男の子。
きっと、親子なのだろう。
フィリピンでもこういう親子はたくさん見たけど、本当に友達かと思うほどだ。
((( パパ若〜〜〜!!)))
男の子はお父さんが一生懸命お金を入れようとするのをじっと見ていました。
「あ〜、入らないねコレ、」
お父さんが私に言います。
「ね〜!隣のにしてみようかな」
すると、
「かして!」
お父さんの後ろから見ていた男の子が、今度は私の前にまわりこみ、札を手に、投入を試みてくれました。
異国のマッサージチェアに座る観光客と、それを取り囲む男の人たち。
な、なんだこの図は…!笑
2人が一生懸命札を入れようとしてくれているのを前に、申し訳ないな、優しいな…、などの感情とともに、自分が置かれている状況に思わず笑いがこみ上げてくるのを必死に抑える私。
「違うお札はある?」
そう聞かれて、財布をごそごそしてみると、10リンギット札がありました。
「おお!それ入れてみよう!」
ウィーーン…
…
「ハッ‥!動いた!!」
「おお〜!」
「よかった!」
「5リンギットは受け付けてなかったんだね笑」
「じゃあ!」
「楽しんで〜!」
「ありがとう〜、本当にありがとう〜〜!」
観光客・私は、マッサージチェアに座ったまま2人を見送ったのだった。
ちなみに今、世界のニュースの舞台になっているklia2(クアラルンプール国際空港2)のバスターミナルのところにも、ずらりと並べられていました。
みなさんもマレーシアに行かれた際はぜひ♪
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